詰まった!!
僕の窮屈な頭蓋骨の中身。
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アルカンの論文
口コミで名前が伝わるといううわさの森下唯さんっていうピアニストがいます。

主な演奏会で弾いた曲で一番多いのがアルカンっていう、ちょっと特殊な人で、HPでも{HP→http://www.morishitayui.jp/}アルカンの解説をしていたりします。
2月7日に修士論文がアップロードされたそうですが、PC不調のため、そのようなことを知らず、今日、3時間かけて、アルカンを聞きながら、その論文を読んでました。

とりあえず、私はアルカンのCD8枚、楽譜は56曲分ほど持っているので、データに困ることはなく、理解しながら読むことができました。

とりあえず、
Op.39短調の12の練習曲の、4-7(交響曲)と、8-10(協奏曲)
Op.63エスキス全集
の解説はすごい。
とくに協奏曲の方は、世界で一番詳しいと書いてあるほどのことはあり、恐ろしく詳しい。
No.8、協奏曲一楽章は生を意味し、
No.9、協奏曲二楽章は死を意味し、
No.10、協奏曲三楽章は理を意味する
というところには納得した。
一楽章はあまりに長く、普通は解説する気も起きなくなるものだが、1小節ずつ、はっきり見ていってることがわかる。
さらに、主題部と展開部の関係、カデンツァの意味づけなど、私にとって新しい見方を教えてくれた。
そして、3楽章すべてを関連付けた説明もあり、共感し、納得するところが多かった。

エスキス全集の解説は、私が持っている解説より、数段細かく書かれてあり、ところどころに楽譜も掲載してあって見やすい。
エスキス全集の曲を聴きながら解説を読み、エスキス全集は相当深いものであることがわかった。
49曲の小品集であり、No.23「木靴を履いた男」、No.45「腕白小僧たち(小悪魔たち)」など、限られたものしか面白くないものだと思っていたが、よく集中して聞けば、それは味わい深いものであった。

曲の解説が中心となっている論文ですが、私にとってアルカンをさらに理解する、非常に有意義な論文でした。


これを読んで、アルカン独自の世界というものがあり、古典派とロマン派とアルカン派ができてもいいのではないかという気がしてきた。

アルカンの謎加減は、25の前奏曲(No.2、No.3等)を聴けば一発でわかる。
Op.32、25の前奏曲のほとんどはまだ録音されていない曲なので、ピアニストの理解の仕方が聞けなくて残念だ。
2013年になれば、アルカン生誕200周年だ。
そのときに、アルカン全集でも録音されることを望む。


アルカンの個性が出ている作品を下に挙げる。
Op.15 No.2[「風」想い出:悲愴な様式による3つの作品]☆☆
Op.15 No.3[「死せる女」想い出:悲愴な様式による3つの作品]☆
Op.27b  [鉄道]☆☆☆
Op.31 No.2[25の前奏曲]
Op.32 No.1[「愛らしく」幻想曲集第1巻]
Op.32 No.3[「モレスカ風幻想曲」幻想曲集第1巻]☆
Op.33 [「4つの時代」大ソナタ]☆☆
Op.35 No.5[「アレグロ・バルバロ」長調の12の練習曲]☆
Op.35 No.7[「隣村の火事」長調の12の練習曲]
Op.39 No.1[「風のように」短調の12の練習曲]☆☆
Op.39 No.3[「悪魔のスケルッツォ」短調の12の練習曲]☆
Op.39 No.5[「葬送行進曲(交響曲2楽章)」短調の12の練習曲]
Op.39 No.7[「交響曲4楽章」短調の12の練習曲]
Op.39 No.12[「イソップの饗宴」短調の12の練習曲]☆☆☆☆
Op.61 [ソナチネ]
Op.63 No.10[「非難」エスキス全集]
Op.63 No.23[「木靴を履いた男」エスキス全集]☆
Op.63 No.45[「腕白小僧たち」エスキス全集]

☆の数は私が勝手につけたおすすめ度
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Op.27b
アルカンの練習曲の技巧の高さには驚かされますが、
異常に難しく、すごい表現のできている練習曲があります。
Op.27bの鉄道です。

はじめから終わりまでVivacissimamenteで突っ走ります。
楽譜自体は約20pと、長いほうですが、演奏時間は大体5分くらいがbestです。

左手の規則的な動きは、車輪を見事に表現していますし、右手の恐ろしく早い旋律は、汽車の外観から周りの風景などを、巧妙に表現しています。

5分の1も進んだところで、がらっと曲想が変わります。
左手の規則的な動きは消えますが、まったく気になりません。
右手にしっかりとした旋律ができます。

そして、すぐに、新しい形式になって、左手に3連符が出てきますが、まさに鉄道です。
5分の2も進めば、汽笛がなります。

そして、今までの部分を繰り返したところで、調が半音上がり、クライマックスとなります。

そして、遅くなっていって終わるのですが、記号で遅くしているのではなく、音符で遅くしていきます。
それが、車輪の表現として、ぴったりです。

最後に汽笛を鳴らして終わります。

終わり方は、いつもはアルカンの欠点になっている部分ですが、今回はまったく違和感がありません。


この曲はあまりにも難しいことを除けば、名曲です。
鉄道をここまで表現できるのは、人間業とは思えないほどです。

クラシックが苦手な人でも、こんな曲を聞けば、ピアノのもつ表現力と、作曲家の偉大さがわかるのではないでしょうか?


なお、Op.27bとなっているのは、もうひとつOp.27があるので、こうしているだけです。
Op.27aは、(3+3)+(3+3)拍子だったり、(2+2+2)+3拍子だったりして、オクターブが大量に出てくる、よくわからない音楽で、楽譜を見ただけでは想像できません。(♯もたくさんついているので)
でもおそらく派手な曲だと思います。
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