詰まった!!
僕の窮屈な頭蓋骨の中身。
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機械化の先
まずは、
http://www.morishitayui.jp/docs/2008/02/post352.html
http://www.morishitayui.jp/docs/2008/02/post353.html
の二つの記事を見てください。
(森下唯の日々の駄文録より)

まあ、長文なので、簡単に要約すると、
「機械化によってピアノの技術を得ることは、悪いことではないと思うのだが、どうか」
ということだ。

何も苦労をせずに、人工的に能力が上がるのであれば、それは確かに推奨するべきだ。
身の回りでは、
服(体温の調節)
眼鏡(視力)
薬(健康)
etc..

だが、一番下の薬というものは厄介で、少なからず副作用はある。
スポーツでドーピングが禁止されているのは、人間本来の機能で闘っていない、ということ以外に、通常の生活を犠牲にしては本末転倒であるから、ということもあるだろう。
他にも、観戦者がドーピングしている人を見たらどう思うだろう。
あまりにも人間の本来の能力から外れている人(それが薬によって)が圧勝してもつまらないだけだ。

人に技術なり能力なりを見(魅)せる場合には、人間本来の能力を見せるものである。
視聴者が、自分ではとても追いつけないという感動を見るのだ。

本論に戻って、

ピアノのコンサートで、圧倒的な感情と技巧のすばらしさを見せる人の演奏には、視聴者は、5000円でも10000円でも出して見に行くだろう。
だが、自分と同レベル、もしくはそれ以下の親しくも無い人の演奏に、わざわざお金を払うことも無いだろう。
もし、ピアノの腕が圧倒的に上がる機械(薬)が発明されたとしたら、その時点で、ピアニストという職業は成り立たなくなってしまう。
誰にでもできることをお金を払って見ることなどないのだから。
曲による感情の違いはあるだろうが、それとて、自分の出したいように曲を奏でられるのであれば、他人の演奏など聴く必要がない。
ピアノ界では、作曲者と音楽評論家と楽譜の出版社くらいしか生き残れなくなる。
すると、必ず、ピアノ界は衰えていくだろう。
作曲者は自分の考えを表現するだけの技巧をいくらでも盛り込めるが、その中に、簡素な音楽を見ることはなくなるだろう。
もし、簡素な音楽を作ったところで、(機械化でいくらでも上手になった)演奏者は、豪華絢爛な曲に走るに相違ないのだ。

なぜこのようなことがいえるかというと、実際に音楽の歴史がそれを物語っているからである。

クラシックの音楽を当時楽しむのは、普通は貴族だった。
たしなむ人が少ないということは、当然全体的にレベルは下がる。
作曲者達は、その人たちを向上させる曲を作ったり、その人たちのレベルに合わせた曲も作らなければならない。
そこに新しい工夫が生まれるだろう。
それが、民衆たちの手に渡ったらどうだ。
印象派や、現代音楽の作曲者は、簡単なものもあるが、一般に知られるのは手も出せないほど難しい曲ばっかりだ。
音楽の内容も、調性や旋律や和声の崩壊から、楽器の使い方の崩壊まで、あらゆるところで崩れて来た。
一部、とにかく斬新なことを求めて、音楽性を犠牲にしてまで、変なことを要求するようになってきた。
これが悪いことだとは言わない。だが、昔の感動はそこには無い。

私はこのような世界を望まない。
私は、自分には出来ないことを見る感動が欲しいし、自分の技術や、音楽界がゆっくりと変わっていくことを見ていくのも面白い。

ネット上で見れる動画が十分にあるにも関わらず、人が演奏会に行くのは、そこにある本物を見たいためだろうし、ありえなさそうなことが目の当たりになる、ということへの衝撃を求めていることもあるだろう。

トップの森下唯の演奏会の発表があったとき、すぐに行きたい、と熱望したのは、
グランドソナタという、一見不可能な曲を弾くことができるという事実を確認したかったからだ。
自分では、どうしても二楽章フガータ(フーガでは無いと思うけど・・・)や、3楽章の中間部を弾くことができないから見に行ったのだ。
自分では、どうしても、あの曲を曲として完成させることができないから見に行ったのだ。


私なりに考えた結論を最後に載せておこう。
もし、ピアノの腕が圧倒的にすばらしくなる道具が出現したとしたら、それは使わないことは不利益があるだろう。
だが、根本的に、そのような道具を流通させてはいけない。
自分で作ってその人本人が使うなら、それは良いだろう。
だが、それを一般人が手に入るくらい、安い値段で流通させるようなことがあるのならば、そのときは音楽界は地に落ちてしまうと考える。
もし、私がその機械を作ったとしたら、それには、2億円くらいの値段を付けると思う。
それは、人間一人が音楽界に与える影響の値段である。
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コメント
この記事へのコメント
一人の個人が人間社会全体の秩序を帰る権利を金で買えるのか?と一瞬思ったが、よく考えると金でも秩序って余裕で破壊できるのよね。まあ等価交換みたいにすんなりいかない話だが。

それにしても2億は安すぎないか?

いずれにしろ芸術はきっと自然体から発生するものだ、と信じたい。
2008/02/22 (金) 23:37:03 | URL | 17cm #-[ 編集]
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